〜昇級・昇段審査の着眼点〜

瀬戸塾師範 瀬戸謙介

 2004年の10月9日〜11日に行われた大人の合宿で、昇級審査の時にどのようなところに審査員は注意を払って見ているのかの勉強会が行われました。審査員が見るポイントとは審査を受ける者が日頃から意識して練習をしなければいけないポイントです。勉強会では後ろ足の張りとか腰の回転の軸は何処にあるのか等活発な質問が飛び交いあっという間の2時間でした。
 主立った内容を箇条書きに記しました。皆さんもこれを読み日頃の練習に活かしてください。

 基本
1)前屈立、後屈立、騎馬立の時に折り曲げた膝の角度と位置が適切かどうか
  ・膝の位置、角度が適切で有れば重心は当然適切な位置に来る
2)腰は床と水平に成っているか
3)上体が腰の上に垂直に乗っかっているか
  ・半身と正面とがハッキリと区別されているか
4)足の裏全体が床に密着しているかどうか。
  ・膝の張りすぎにより足の裏が浮いていないか
  ・逆突きなどの時に踵が浮いていないか
5)運足の時、軸足の踵が上がっていないか
6)前足、後ろ足の爪先が正しい方向に向いているか
7)拳や手刀がしっかりと形づくられているか
  ・手首の締め、拳の角度、指先等
8)突き手と引き手のタイミングが合っているか
  ・突く目標をしっかりと捉えているか
  ・引き手をしっかりと取っているか
9)技に対して適切な腰の動きをしているか
  ・逆突き、追い突き、受けなど
10)揚げ受け、外受け、内受け、下段払いの受けた時の肘の位置と拳の位置が正しいか
11)受け、突き、引き手と腰の回転とが正しいタイミングで動いているか
12)蹴った時の支え足(支持足)の状態
  ・踵が浮いていないか
  ・膝が安定しているか
13)蹴り脚の状態
  ・蹴り脚を引きつけるときに引きずっていないか
  ・膝の抱え込みがじゅうぶんであるか
  ・引き足を取っているか
  ・蹴った時膝が伸びているか
14)蹴上と蹴込の区別を理解しているか
15)動きに統一性があるか
  ・手と足と腰とが同時に決まっているか
16)技の掛けた方向に力が向いているか
17)力とスピードがあるか
18)気が充実しているか
 
1)先ず基本の時の注意点をきちんとこなしているか
2)一つ一つの技の意味を正しく理解し、正確に演じているか
3)演武線が正しく行われているか
4)それぞれの形の特徴をとらえているか
5)無駄な動作、モーションや力みが無いか
6)誇張された作為的な緩急が無いか
7)気が充実しているか
 基本一本組手、自由一本組手
 攻撃
1)適切な間合いで攻撃を行っているか
2)攻撃目標を適切に捉えているか
  ・上段、中段をちゃんと突いているか
  ・蹴りの時相手の外を蹴っていないか
3)体の方向と拳の方向が一致しているか
4)動き出す時に余分な動きをしていないか
  ・力み
  ・上体が揺れる
  ・軸足の余分な動き
 
 防御
1)受けるタイミング
  ・手を途中まで持って行き待って受けていないか
  ・突かれた後で受けていないか
2)相手の手首あるいは足首を正確に受けているか
3)受けた相手の拳あるいは足先の延長線が確実に体から外れているか
4)相手の体格や技量に応じた足さばきが行われているか
  ・真っ直ぐ下がって受ける
  ・横に捌く
5)受けた間合いに合った適切な反撃技を行っているか
  ・近すぎた時肩で調整していないか
6)正しい目標に向かって、受け極め一呼吸で行っているか
  ・上段・中段(相手の体の中心に向かって極めているか)

 攻防両方
1)腰がしっかりと落ちていて正しい姿勢をとっているか
2)気が充実しているか
3)繰り出した技に勢いと破壊力があるか

 
 

 

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