第四回 論語勉強会
〜「学んで思わざれば・・」〜
【原文】 子日、學而不思則罔、 |
【書き下し文】 |
則ち罔(くら)し・・なにも身に付かない。 |
【解説】 この言葉は、孔子の学問に対する姿勢としてとても大切な言葉だと思います。 「学」という言葉は論語にはよく登場する言葉です。 「先生に聞く」「人から習う」「本を読む」等の場合に用いられています。 ここでの学んで思わざるの「学」は勿論ここでは読書のことを意味しています。「思う」は思索(物事の筋道を立てて深く考え進むこと)を意味します。 いくら読書しても、その内容を検証し、しっかりと作者の意図を理解するようにしなければ、何も身に付いていないのと同じである。 また逆に、自分一人で考え空想するだけで本を読まなければ、独善的になって危険である。 私達が本を読んでいる時は、著者の考えや思想に心を打たれ没頭するが、それは著者の精神的思いや訴えをなぞっているに過ぎません。私達の読書の目的は、良き本を精読してその内に書かれている思想、精神を咀嚼し自分のものとしなければ意味がありません。 本当の読書とは、読むだけでなく読んだことについて考える事が大切です。それ無くしては読んだものが精神の栄養とならず、自分を育ててくれません。 |
瀬戸塾新聞23号掲載記事 |