推薦図書
「君たちはどう生きるか」 吉野源三郎著 岩波文庫
空手を習いに来ている子供の母親に、瀬戸塾の指導員と子供とがメールのやり取りをした内容のコピーを見せて頂きました。内容は空手のこと、人間関係などの悩みに対してその指導員が優しく時には厳しく丁寧な言葉使いで誠心誠意答え、それに対してその子が意見を述べ、お互いに度重なるメールのやり取りをしている内に段々と悩んでいる子供の心がうち解けて最後には納得し理解をすると言った内容でした。私はこのメールを読んだ時にとても心温まる思いがしたのと同時に、今から数十年前に読んだ一冊の本のことを思い出しました。それがこの本「君たちはどう生きるか」です。
この本は一九三五年(昭和十年)に書かれた少年の為の倫理の本です。著者の吉野源三郎氏は哲学者として著名な方です。しかしこの本の内容にお説教めいた所は一つもなく、少年の日常生活を通してとても解りやすい物語として「人間としての生き方」を説いている本です。主人公のコペル君(本名本田潤一)が日常起こったこと、考えたこと友人との悩みなどをコペル君の叔父さんとノートを介してやり取りする中でコペル君が人間として成長していく姿が書かれています。
この本は小学の上級生で有れば充分読んで理解出来る本ですが、大人が読んでも読み応えのある本です。是非、皆さんに読んで頂きたい一冊です。