推薦図書
嵐の中の灯台
親子三代で読める感動の物語
小柳 陽太郎 監修
明成社 出版
最近、家庭での教育力の低下が大いに指摘されて子供を持つ親としては耳が痛い所です。我が子に幸せな人生を歩んで欲しいと願わない親はいないと思います。しかし自分の子供だけが幸せになっても、社会が良くならなければ本当の幸せなど得られません。良い社会(すなわち、国)作りに貢献できる人間を育てる事こそが我々親に課せられた使命なのだと思うのです。
先日の瀬戸塾杯での瀬戸先生のご挨拶にあった「美しい心と生き方の出来る人間が一人でも多く住む国が美しい国」という事にまさに通じる事だと思うのです。 この本には、歴史上の偉人というより、もっと身近な人達の尊敬すべき生き様が描かれています。私利私欲がなく公に尽くす、誠実で、志を貫く強い意志を持ち、努力を惜しまず、長幼の序を大切にする思いやりの心を持った日本人(外国人の話もあります)達が描かれています。未就学児には読み聞かせでも十分理解でき、小学生は自分で読めますし、カラーの挿絵がとても美しく丁寧に描かれています。
家庭教育というと、とかく子供に「ああしろ」「こうすべき」と説教ばかりになりがちですが、出来るだけ幼い純粋な頃から、お手本としたい人の生き様を読み聞かせ、お話を共有し、「すばらしいねえ」「こういう人になりたいねえ」と親子で話すことこそが家庭で出来る道徳教育の一歩ではないでしょうか。我が子は既に中学生、もっと早く出会いたかった1冊です。津波から村を救った庄屋さんの話「稲むらの火」も後日談付きで載っています。木戸康子